今回は学生時代に実際に私が経験した就職活動のお話をします。
(軽く)経緯を説明すると…
大学1年生と2年生の間の春休みに妊娠が発覚。
結婚&出産のために1年間の休学。
2年生から復学し、子持ち学生となる。
4年生に離婚調停と就職活動を並行して行う。
内定取消を経験後、現職に就職。
中々同じ状況の方はいないかもしれませんが、どなたかの参考になりますように。
子持ち×学生×シングルマザーの就職活動は絶望的?!
軽く経緯を記載しましたが、私は大学生で結婚・出産・離婚を経験しています。
見るからに「世間からの目が冷たい」ということは想像できますよね。
そんな私が実際に経験した出来事をご紹介します。
子持ち学生ということへの世間の反応
そもそも、子持ちの学生と聞くとどのようなイメージをしますか?
「やんちゃしているな」
「後先の考えられないおばかさん」
「子どもがかわいそうだ」
これらは実際に私が周りから聞いた反応です。
決して良いイメージではない、ということは想像に容易いですよね。
これが就職活動中の企業からすれば、自分の企業に関わってくることなので尚更です。
何事もなく大学に入学し、何事もなく卒業を迎え、まともに人生を歩んできた、そういう学生を採用したいと思うのは当たり前のことなのかもしれません。
子持ち大学生の就職活動
大学3年生の終わり頃から大学4年生にかけて始めた就職活動。
やはり「子どもがいる」ということに対する企業からの目と、自分自身が感じるうしろめたさとで、前向きになれなかったことを覚えています。
それでもシングルマザーになる自分と子どもが一緒に生活していくためには仕事が必要となります。
子持ち大学生の求人の探し方
当時子持ち大学生だった私の求人の探し方としては、以下の5つの方法で求人を探していました。
- 大学からの推薦をもらう
- 大学の学生進路課の求人
- 就活サイトの求人
- ハローワークの求人
- マザーズハローワークの求人
子どものいない学生さんと大差ありませんが、「マザーズハローワーク」は独特かもしれませんね。
学生進路課・学校推薦の闇
親としての使命感のようなものが芽生えた私は、ちゃらんぽらんに過ごしていた1年生の頃とは見違えるように勉強していました。
そのため、成績はとても良く、就活で必要となる成績表ではほぼ完ぺきでした◎
学校推薦の手順は以下の通り。
- エントリーシート+成績表で足切り
- 順位の高い順に学校担当と面談
- 企業と面談(ほぼ内定)
手順1では毎回トップでしたが、学校の担当者との面談では「企業からは子どもがいるという想定ではなかった」という回答だったと毎回伝えられました。
それなら最初に書いてくれ!と思いつつも、そもそも想定さえしていないので無理なことでした。
ハローワークたらい回し事件
ハローワークとマザーズハローワークでは「新卒で子どもがいる」というケースがレアだっだようで、2つの間でたわいまわしにされたことを覚えています。
ハローワークとマザーズハローワークの求人は重複していることがあるとの事でしたが、子育て中のママさん(マザーズハローワーク)は新卒ではなく一度経験を積まれている人が求められていたり、そもそも私の望んでいた「正社員で事務職」という条件では中々ヒットしないとの事でした。
一方で新卒の場合、そもそも「子どもがいる」という前提で求人が出されていないので担当の方を困らせてしまいました。
子持ち大学生 内定取消事件の真相
大学4年生の就職活動中にその事件は起こりました。
内定取消企業への応募の経緯
一般的な就活サイトではなく、企業から直接大学に募集をかけるルートでの求人に応募した時のお話です。
この方法の場合、企業側が募集の幅を狭めているので一般的なルートよりも倍率が低いということが特徴です。
また学校の進路課担当を介さずに直接企業へ応募ができるので、「子どもがいる」ということで進むことのできなかった選考へも自力で進める可能性がありました。
子持ち大学生の書類選考
子持ち大学生の書類選考で一番問題なのが、「1年遅れている」という事実でした。
これは履歴書の生年月日と入学年を照らし合わせて見ればすぐにわかりますし、たくさんの就活生の履歴書を見ている人事の人なら一目でわかるでしょう。
ただこの部分は、留学や休学、留年、入院・・・等々、様々な理由が考えられますし、まさか産休だなんて思いつきもしませんよね(笑)
その為、書類選考の段階ではスルーしてもらえることが多く、「1年のズレ」については面接で聞かれることが多かったです。
内定取消となった企業への書類選考では、成績・書類選考はトップで通過することができました。
この私の1年のズレについても面接で確認するという決断に至ったようでした。
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子持ち大学生 3度の面接
書類選考を経て、面接を計3回行いました。
1次面接、2次面接、最終面接の3回です。
1回目の面接で早速「学年がずれている理由を教えてください」と質問を受けました。
私は「学生で子どもがいること」「学生でシングルマザーであること」に対するイメージがとても悪いという印象を持っていたため、最初の段階でそのフィルターをかけられたくないという思いがありました。
そのため「家族の事情」という理由で回答をしました。
また休学していた1年間で得たものや、実際に形として取得した資格についても付け加えました。
1年のズレや理由について聞かれたのはその時だけでした。
子持ち大学生の内定と面談
最終面談を終え、内定通知書が届きました。
ホッと安心したことを覚えていますが、同時に「早く子どもがいることも伝えなくちゃ」というドキドキ感もありました。
就職活動は大学のゼミの教授や身近な人に相談しながら進めていましたが、みんな「子どもがいることなんて大したことじゃない」「人はそれぞれいろんな事情があるものだ」と言ってくれていたので、その時は大した問題になるとも思っていませんでした。
そして内定後、初めて企業に面談にいく日がやってきました。
私は意を決して、大学生で子どもを出産したこと、子育てしながら大学に通っていたこと、卒業後はシングルマザーとなる予定であることをお話しました。
するとみるみるうちに、企業のお偉いさん達の顔が曇っていくのが見て取れました。
そして「少し考えさせてほしい」と言われ、部屋で1人待たされることとなりました。
子持ち大学生と内定取消
内定後の面談で待たされること20分、数人のおじさん達に囲まれてこのように言われました。
「今回の採用は見送らせてほしい」
家族の事情と聞いていたが、君の事情ではないか、とも言われました。
私はこの時に「子どもがいるという事が原因ですか」と聞いたところ、はっきりと「そうです」と言われ、悔しい気持ちが芽生えたことを覚えています。
【内定取消】子持ち大学生の逆襲
当時の私のゼミの教授はジェンダー論や女性の権利についても学識のある先生でした。
早速内定取消しのについて相談をしたところ「泣き寝入りする必要はない」と心強い言葉をくれました。
子どもが理由で内定取消をするなど、けしからんと言ってもらえました。
大学の研究室でわんわん大声で泣いたことを覚えています(笑)
【内定取消】大学教授と弁護士
大学教授の知り合いの弁護士さんを紹介してもらい、弁護士さんを通して企業と話し合いをしてもらえることになりました。
「弁護士」と聞くと、冷たくて厳格そうなイメージを持っていた私ですが、担当をしてくれた方は40代の女性弁護士で、お子さんが2人いる方だったのでとてもよく理解してくれました。
企業のお偉いさん方に対して、「あなた方は間違っています」とビシッと言い放ってくれた姿は今も忘れることはできません。
(ヒーローみたいでかっこよかった・・・)
あの時大学の教授に相談していなかったら、間違いなく私は悔しい気持ちのまま泣き寝入りしていたと思います。
学のあることの大切さを感じました・・・。
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【内定取消】弁護士と企業の話し合い
大学の就職進路課、弁護士、企業と何度か話し合いを重ね、示談で解決することとなりました。
①このまま内定先の企業で働く
②示談金で和解する
2択となりましたが、②示談金で解決方向で決定しました。
和解金として100万円が企業から支払われました。(うち20万円は弁護士さんへ)
これにて私の人生初の「内定取消」「示談」「弁護士沙汰」は幕を閉じました・・・。
子持ち就活生はココをアピールしよう
実は私の今勤めている会社は内定取消事件の起きた後、1番最初に面接を受けた会社です。
「捨てる神あれば拾う神あり」とはこのことか!と思いました。
企業にとって子持ちであることは、必ずしもプラスではありません(いやマイナス要素の方が多いかもしれません)
子どもを持つ母親が企業に採用してもらうにはしっかりと伝えないといけないことがあります。
子持ち就活生はフォロー体制があることを伝えよう
企業から子持ちであることにマイナスイメージを持たれる要因の1つに、子どもの熱や行事等で急な休みが発生することが挙げられます。
実際に子どもが小さければ病院にいく回数も多いですし、突然保育園から電話が掛かってきた!なんていうことも少なくないはずです。
仕方のないことではありますが、実際に起こってしまった場合にどのように対策をとるかを伝える事が大切です。
- パートナーの協力を得られる
- 実家の協力があり、様子をみてもらえる
- 病児保育に登録している 等々
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シングルマザーはここがアピールポイント
シングルマザーの就活の際には「簡単に辞めずに働き続けられる」ということをアピールできると良いです◎
新卒で大量採用をしても、そのうちの一定数の女性社員は結婚や出産、転職等々の理由で数年で退職してしまうという現実があります。
企業側としても、せっかくお金をかけて教育したのに数年で辞めてしまわれては無駄となってしまいます。
その点シングルマザーは、生活がかかっている為すぐに辞めることなどしませんし、出産で長期間お休みするといったことも起こる可能性が非常に低いです。
これは企業側にとっても大きなメリットである為、しっかり伝えていきましょう◎
さいごに
子持ち学生やシングルマザーの就職活動は、「普通のひと」より壁は高いです。
でも、子持ち学生だからこそ、シングルマザーだからこそ、メリットとなる点は必ずあるはずです。
就職活動はご縁が大切
就職活動はご縁だから・・・なんて言葉をよく聞きますが、私も全く同じ感想を持ちました。
現職の会社の面接では、内定が出る前に「子どもがいること」「シングルマザーであること」を伝えました。
一瞬驚きはされましたが、全く問題にはならないし、しっかりやることをやってくれれば良いと言ってもらえました。
むしろ、子どもがいるのに大学を辞めずに卒業したこと、子どもを育てながら生活が成り立っていることが素晴らしいことだとお褒めの言葉をいただきました。
就職活動中は「子どもがいる」という事を打ち明けるタイミングに散々悩みましたが、就職後に一緒に働くということを考えれば、最初に子どもがいることを打ち明けても良いのかもしれません。
今の私は「内定取消」をこう考える
今になってみて思うのは、人のバックグラウンドを色眼鏡でみる会社に就職しなくて良かったということです。
内定取消があったお陰で、私の経験値はワンナップ(笑)しましたし、ありのままを受け入れてくれる就職先にも出会うことができました。
内定取消に離婚に、人生どん底時代のお話ではありますが、どんな事にもきっと意味はあるんだろうなって思っています。
私は内定取消の際に「べ・・・弁護士ってスゴイ」とただただ単純に思い少しだけ法律を勉強してみたり(実務法務試験を受験)、学生ながらに色々と感じるものがありました。
そんなことを思いながらブログを始めました♪
今回もご覧いただきありがとうございました。